行事紹介 – プナホウ・カーニバル –

2010年、6年生からハワイの Punahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

毎年2月最初の金・土2日間、11時から23時までプナホウ・スクールでカーニバルが開催されます。
ハワイの大々的なカーニバルは数が限られているため、島中の人が心待ちにしているイベントです。プナホウ・カーニバルは島の住人に楽しいひと時を提供すると同時に、売り上げは全て、援助が必要な在校生への資金となります。

日本で馴染み深い文化祭と少し似ている所がありますが、クラス別や部活別でカフェや占いを出店するというよりも、アカデミー(プナホウの高等部)全員で力を合わせて盛り上げるイベントです。移動式遊園地が設置されたり、学校秘蔵のレシピを使った屋台を出したり、12年生(高校3年生)全員で作りあげるエンターティメント・ショーなどがメインです。

アカデミーの生徒が運営するカーニバル

プナホウ・カーニバルでは、アカデミーの生徒は特別な理由がない限り、12年生以外の全員がどこかのブースで少なくとも3時間は働かなければなりません。(11年生には少し例外があるのですが、この件についてはまた後ほど・・・。)ブースは食べ物、ボーリングやダーツなどのゲーム、アートギャラリーやオークションなど実に様々です。

働きたいブースや時間は自分で選べます。ですが、選考の優先順位は11年生から9年生へ下がっていくので、9年生の時点では中々思い通りにはいかないかもしれません。

敷地内に設置された観覧車

ブースによって仕事のきつい、楽、はありますが(例年楽と言われている仕事はアートギャラリーのスタッフ、反面食べ物系の中でもマラサダは驚異のキツさ、など)どのブースでも学校の仲間と一緒に働くのは楽しいです。
マラサダなどの店舗では音楽が大音量で流れているので、みんなで一緒に歌ったり、どっちのシュガーライン(揚げたてのマラサダに大量の砂糖をまぶし、袋詰めする作業ライン)がより早く、多くマラサダをお客様に提供できるか競ったりします。

カーニバルで働ことを楽しみにしている生徒は多く、必要な3時間のシフトだけではなく、6時間、9時間、それ以上働く生徒も沢山います。もちろん親や卒業生のボランティアも裏で支えますが、生徒が出来る範囲のことは全て生徒が行って運営しています。

カーニバル実行は11年生が担当

カーニバルの運営実行委員は、11年生が担当します。ブースごとに11年生の生徒数人でチームを作り、ブースの看板作り、宣伝、そして計15時間のシフトを2日間にかけてこなします。さらに、下級生のサポートや生徒管理も任されます。

カーニバルプリントの服を着て

プナホウでは毎年、その年にデザインされた「カーニバルプリント」と呼ばれるプリント生地と、それを使って作られた服が販売されます。どの学年でも自由に着ることができますが、11年生は「カーニバルプリント」の服を着てカーニバルを回るのが恒例です。学校が制作・販売するシャツやスカート、ズボンを買ってもいいですが、「カーニバルプリント」の生地を買ってワンピースやオーバーオールを手作りする生徒も沢山います。

責任は大きいですが、学年全員で力を合わせればできます。2日間のカーニバルが終わった時にみんなで風船や浮き輪などを持ってカーニバルを回るのですが、その時の感動と達成感は格別です。棒のようになって痺れた足で上手く歩けなかったのもいい思い出です(笑)。

12年生はエンターティメント担当

さて、もうお気づきかもしれませんが、12年生はカーニバルでの仕事は免除されています。理由は、12年生は「バラエティーショー」と呼ばれるエンターティメントショーを、2日間で計6回発表しなければならないからです。1つのショーが約2時間、集合時間は開演より最低でも1時間早い為、拘束時間がどうしても長くなります。参加は自由ですが、ほぼ全ての12年生が参加します。

バラエティーショーは1つのテーマにそって、5つのシーンに分けて構成されています。生徒はランダムに各シーンに分けられ、ダンス、歌、演劇を合わせて発表します。ただ、ランダムとは言え、どういった采配かは不明ですが大概の生徒は友達と一緒のシーンになれます。ステージに立ちたくない生徒は音響や裏方にまわる事もできます。

練習は1ヶ月程、週3回位の頻度で行われます。練習量は多いですが、学年全員で作品を作り上げるのはとても楽しくいい思い出になります。ショーの最後に出演生徒全員が客席を360度取り囲んで、手を繋いで歌うフィナーレがあるのですが、2日間最後のショーで、感動のあまり泣き出す生徒もいます。

迷っている生徒がいたら、強く参加をおすすめします!

ハクレイを冠ってみんなで1枚

因みに、11年生が「カーニバルプリント」を着ることが恒例なように、12年生はハクレイ、いわゆる凝った花冠を頭に乗せてカーニバルを回る事が特権とされています。
花冠なので女子の方が参加意欲は高いですが、ハクレイはレイと同じ様な役割を持つもので、男女誰でも被っていいのです。
カーニバルで販売されているハクレイは全て手作りされています。

お祭り騒ぎの2日間

思い出の1ページ

友達と一緒にスムージーを飲んだり、バーガーを食べたり。

小さくて高速の観覧車、ジッパーと言われる箱の中に入って360度揺られながら回るアトラクション。

運試しや腕試しにダーツで遊んでみる。

いつまで経っても途切れないお客さんの列に笑いながら、文句を言いながらマラサダに砂糖をまぶす。

ずっと立ったままで痺れてしまった足の痛みを紛らわす為に、つま先立ちを繰り返す。

ショー開演まで、控え室や廊下で待機しておしゃべりする。

カーニバルでの過ごし方は人によって様々ですが、学生だけでなく外部からも沢山の人が来場するため、とても楽しい2日間です。