行事紹介 – プロム –

2010年、6年生からハワイのPunahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

アメリカの高校ではお馴染みのプロム、日本でも映画などの影響で知っている人は多いと思います。12年生を対象に行われるフォーマルなダンスパーティです。プロムの他に、冬のダンスパーティーやジュニアプロムと呼ばれる、下級生も参加できる行事を開催する学校が多いですが、プナホウではそういった行事がありません。12年生(高校3年生)の時だけ主役としてプロムに参加することができるので、生徒にとってとても特別なものです。

卒業間近に行われるイベントなので、同級生一同一緒に着飾り、踊り、騒ぐことができるいい機会です。俗に言われる「The beginning of the end」(終わりの始まり)を代表するイベントですね。

準備:ドレスとチケット

プロム当日までにする事は沢山あります!当日着て行くドレスやスーツの調達、プロムへの参加チケットの購入、プロムに誘いたい相手がいる場合は、ダンスパートナーになってくれるかをきく「Asking」の準備もしなければいけません。

まず服装。ほとんどの男子はみな同じようなスーツを着てきますね。たまに、遊び心のある紫や深緑などのスーツをバシッとお洒落に着こなして登場する男子もいますが、大概黒かネイビーのスーツです。

女子は全く逆で、できるだけ他の生徒と被らないようにドレスを選びます。フェイスブックを持っている女子は「プロムで着るドレスの会」というグループに招待されるので、先着順に着る予定のドレスをアップして牽制をかけます。一度決めたドレスは、混乱を招くので原則変える事は出来ません。稀ですが、2人が同じデザインのドレスを気に入り、お互い譲れない場合は違う色を選び、小物の系統を変えて差別化を図ることもあります。

フェイスブックのアカウントを持っていない女子もいるので(かくいう私もフェイスブックは使っていません)、そういった人達はフェイスブックを持っている友達に見せてもらったりしています。

少々子供っぽいシステムですが、やはり高校生ですし、せっかくの特別なイベントに他の人と服装が重なってしまう、またはコーデ負けするのは避けたいのでしょう。

チケットの購入は一番簡単なステップです(笑)。販売期間に校内にブースが設置されるので、小切手か必要な現金を持っていけば購入できます。例年12年生用のチケットは約$120、下級生用のチケットは約$150です。12年生とそのパートナーのみ1人1枚ずつ買うことができ、他の人のチケットも買う場合は、自分の名前と買ってあげる人の名前を伝えないといけないので、ズルはできません。

準備:Asking

最後に「Asking」ですね。プロムのダンスパートナーになってほしいと申し込むことで、大概男子から女子に申し込みますが、例外もあります。単純に、誘いたい人がいる女子が自分から相手を招待することもありますが、ほとんどの場合は制約上の理由です。

プロムは12年生のためのイベントなので、下級生は12年生に招待されない限り参加できません。12年生の女子が下級生とプロムに行きたい時は、女子の方から招待しなければならいということです。下級生の女子の中には、プロムに行きたいがために、かなり必死に12年生にアプローチする人もいます。

アメリカでは「Asking」も盛大です。

一番典型的な方法は、お誘いの言葉を綴った手作りのサインボードを見せ、花束を渡して聞く事です。花束はバラが主流です。チョコをあげる人もいますね。私はスケートボード好きな男の子の友達から、スケートボードの裏に書いたメッセージを見せて、私の好きなピンクのチューリップをプレゼントされた上で招待されました。
このように、お互いの好きなものを組み合わせて誘うスタイルも多いですね。

もっと派手にしたい人は、友達数人を巻き込んでダンスショーを披露したり、相手を呼び出して友達から一本ずつバラを渡してもらい、最後に本人が花束贈呈&招待したり、お互いの好きな映画のワンシーンを再現したりする人たちもいます。もちろん、誰も見ていないところでひっそりと招待する人もいます。

ですが、多少派手でこそ「Asking」、という思いはありますね。

12年生であれば、ダンスパートナーがいなくともプロムに参加することができます。ですから、友達やグループで参加する人もいます。私の学年では鏡を使って、盛大にクラスメイトを巻き込んで、自分自身を招待したツワモノの女性もいました。真面目にではなくギャグでしたが、そういう事が許され、祝福されるのもプナホウの魅力だと思います。

プロム当日の流れ

1ヶ月程の準備期間を経て当日です!私たちの年は4月1日、エイプリフールに開催されました。ぴったりすぎて、みんな最初は何かの冗談だと思ってました(笑)。

プナホウのプロムは、例年シェラトンワイキキホテルの会場で開催されます。当日はホテル内に友達数人で部屋をとっていて、一緒に現地で準備する予定だったので、ホテルまでは普通に車で向かいました。自宅で準備する人の中には、友達と乗り合わせてリムジンで登場する同級生もいました。

綺麗なホテルのロビーにドレス、スーツ姿の同級生がいっぱいいて、本当に煌びやかな光景でした。そこにいるだけでワクワクする感じでした!

ホールが開くまでは、談笑したり写真を撮ったりとそれぞれの友達グループで時間を潰します。
いつもとは違う雰囲気に助けられ、普段あまり話さない人に話しかける生徒たちもいます。

時間が来てホールの扉が開いても、みんなせっかく着飾っているので写真を撮ることに気を取られ、しばらく中には入りません(笑)。プロのカメラマンさんも来るので、みんなそこでも写真を撮りたがります。とにかくこの日に撮る写真の量は半端ではありません。

やっとみんながホールに入ると、まずは料理が振る舞われます。バイキング形式なので、好きなものを好きなだけ食べる事が出来ます。ホテルの料理なので、なんでも美味しいです。個人的にはデザートが一番好きですね。

食べた後はダンスフロアが解放され、DJも来てダンスタイムです!ダンスが嫌いな人は席に座ったまま話していても大丈夫ですが、せっかくのイベントなので上手下手関係なくほとんどの生徒が踊ります。スローダンスソング(カップルで踊るためのロマンティックでテンポが遅めな曲)も散りばめられていますが、ほとんどはテンポの早いノリのいい曲なので、気後れせずに踊る事が出来ます。

踊って喋って食べて、夜は更けて行きます。

解散後は・・・

プロムは24時ごろ解散します。電車がないハワイらしい終了時刻ですね(笑)。Uber等を使ったり、自分の運転で帰る人もいますが、ほとんどの生徒が親に迎えに来てもらうのは申し訳ないと思い、プロムが開催されたホテルにそのまま泊まります。

同じビル内や同じフロアに泊まる事がほとんどなので、大きなお泊まり会のようになります。お菓子を大量に買って来ておしゃべりしながら映画を見たり、自由にのんびり過ごしますが、とりあえず寝るという概念はありませんね。

たっぷり遊んで、気づかない内に就寝して、起きたら朝ごはんです!他の人はどうしたのかわかりませんが、私たちはルームサービスをとって部屋でのびのびとホテルの美味しいご飯を食べました。柔らかい食パンがバスケット1つ分来て、女子5人で余裕で食べきったのもいい思い出です。

最後に・・・

シニアプロムはどの学校でも一大イベントだと思いますが、プナホウでは他にフォーマルなダンスイベントがあまりないので、一層特別感とワクワクが深まります。準備も兼ねてみんな1ヶ月位前からソワソワしていますからね。

一夜限りのイベントに大金をかけることを良く思わない人もいますが、私は参加した事を全く後悔していません。一夜だけでも、物凄く楽しかったです。それに、その日の思い出はプロムの後も友達と思い返すことができます。プナホウでは、プロム参加は高校生活1回きりの人がほとんどなので、例えるならば卒業式と同じような扱いです。

そう言われたら参加しない手はないでしょう?