Punahou Academyの時間割

2010年、6年生からハワイの Punahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

プナホウのアカデミー(高等学部)が採用している時間割システムは、ハワイの学校の中でも珍しいシステムです。私はこのシステムを気に入っていましたが、他校の友人に説明するといつも驚かれました。

毎週違う時間割

まず、時間割は毎週同じではありません。多くの学校では月〜金の時間割が決まっていて、1つの学期中はそれを毎週繰り返しますよね。ところがプナホウでは、「サイクル」と呼ばれるA・B・C・D・E・Fの6日間を繰り返します。月曜からスタートする学期であれば、月曜はA、火曜はB、水曜はC、木曜はD、金曜はE、そして一般的な学校と同じように土日はお休みで、翌月曜はF、火曜はA・・・と続きます。

このシステムによって毎週少しずつ違うスケジュールになるため、祝祭日の関係で特定の授業だけ回数が少ない、という事態を防ぐことができます。学期中のサイクルの数は予め決まっているので、どの授業もきちんと規定の回数を満たすことができます。

時間割はこうして決まる

授業時間は毎日午前7時半から午後3時半までです。通常の授業は1時間ですが、特進コース (AP) やアート系など、授業によっては1時間半や2時間のものもあります。

ただ、毎日必ずしも午前7時半から午後3時半まで通して授業を受ける訳ではありません。 履修するクラスを各生徒が自分で選択するからです。

大学と違って先生や時間帯は選べませんが、レベルや興味・関心によってコースを選ぶ事ができます。選べるコースの自由度は学年があがるにつれ上がっていきます。「コースガイドブック」という各コースの簡単な紹介パンフレットを読んだり、先輩におすすめのコースを聞いたり、コースの選び方も人それぞれです。

履修したい授業を選んで学校に提出した後は、オンラインコンピュータがランダムにスケジュールを組んでくれて、1学期分のスケジュールが完成します。

時間割は人それぞれ

1コマの時間が一定ではなく、かつ生徒がそれぞれ授業を選ぶので、始業・終業時間は日によって違いますし、クラスの合間に空きコマができる事もあります。 ある日は10時半開始、 別の日は午前中しか授業がない、という事もあります。運が悪ければ午前7時半から午後3時半までお昼の時間も無く通しで授業、という事もありえます。

ちなみに、こちらが12年生(高校3年生)の時の私の友達の時間割です。

お昼の時間がない事も

各生徒によって時間割が違うため、特定のお昼時間はありません。そのかわり10時半から13時半まで食堂が開いています。この時間内で空きコマがある人は空きコマを使って、昼食をとります。空きコマが無い人は先生に事情を話して、食堂でテイクアウトの昼食を買う人が多いです。買った昼食は授業進行の邪魔にならなければ、授業中に食べても問題ありません。

適度なマナーを守れば授業中での飲食は大概許可されているので、大体の生徒は毎日軽食、お菓子、スターバックスやミルクティーなどを持ち込んで食べたり飲んだりしています。
空きコマがあると言っても1日長いですから、集中力を維持するため、または眠気覚ましのために飲食は必須、と言う生徒が多いと思います。

コースとクラス

ここで簡単にコースとクラスの違いを説明したいと思います。
少しややこしい話になってしまうのですが、コースは極端に言うと科目名だけです。テストや授業ノルマはコースの段階で決められていますが、実際に担任がついて、クラスメイトがいるのはクラスの方になります。

例として「アメリカの歴史(American History)」というコースがあります。その中に3つ程クラスがあり、1つのクラスはスワンソン先生が担任でABEFの10:30での授業、また別のクラスはチェーニー先生が担任でBCDFの14:30での授業、更に別のクラスはクリチェン先生の授業でABCEの9:30での授業、という風にクラスによって先生と授業時間が異なります。もちろんクラスメイトもクラスによって違います。でもコースは同じなので、3クラスともおおまかな授業内容と受けるテストは同じという事になります。

時間割を変えたい時は

残念ながら一度確定された時間割を調整するのはかなり難しいです。各生徒の時間割が少しずつ違う上に、クラスも何個もあるので考慮する要素が多すぎるからというのが主な原因になります。それでもどうしても変えたい場合、方法は2つあります。

1つ目は比較的簡単な方法です。学期が始まって最初のサイクル (ABCDEF) が終わる前にコースを辞退する事です。この時点での辞退は単位を落としたとはみなされず、成績表にも反映されません。元からあまり興味がないコースだったり、最初の数回でつまらないと見極められたら、この方法がいいかもしれません。ただし、必修は辞退不可能です。

2つ目の方法は担任との交渉です。調整したいクラスが必修だったり、コース自体は履修したい、といった時はこの方法になります。けれど、変更先のクラスの授業時間が全て空きコマじゃないと基本的には拒否されてしまいます。少し理解しづらいと思うので例を挙げます。

例えば、数学の代数のクラスがBDEFの7時半での授業が当たってしまったとします。7時半に数学の事なんて考えたくない、と思ったある生徒は自分の時間割でBDEFの12時半が全て空きコマだと気づきます。この情報を持って担任に12時半のクラスに移動できないか交渉にいきます。

更にややこしくなるのですが、同じ例を使ってBDを7時半のクラスのまま、EFだけを12時半のクラスに移動する、という例も場合によっては許可されます。ただし後の例は自分で授業にきちんとついていけるように工夫も必要とされます。

最後に・・・

アカデミーが採用しているシステム、特殊なシステムなので少しでも分かってもらえたら嬉しいです。

毎学期、毎週、毎日違う時間割を使って授業が進行していくので、それに合わせて起きる時間、終わらせる宿題、放課後遊びに行く日なども変わり、時間や勉強の自己管理は自然と上手くなります。

また1日の内に、大抵は空きコマと授業のどちらもあるのでメリハリもつき、勉強する時は頑張って勉強、遊ぶ時は思いっきり遊ぶ、という事ができるようになります。