卒業式

2010年、6年生からハワイのPunahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

いきなりですが!今回がシリーズ最後の記事になります。最後の記事ということで、ながらくとっておいた卒業式について書きたいと思います!

プナホウでの卒業式、私はとっても楽しかったです。他の学校では卒業式について、面倒臭い、長い等の否定的な意見が多いですが、プナホウの卒業ではそういった意見はあまり聞いた事がありません。

自由な夏が始まる直前に、高校生として迎える本当の本当に最後の、最上級のイベントなので、元々盛り上がるものだと思うのですが、プナホウの卒業式はお祭りみたいに騒げるので評判がいいのかな?と思っています。

会場

私の知っている限りでは、卒業式を学校で行う高校はそんなに多くありません。「Leing(レイイング)」と呼ばれる、卒業生にレイや小さい贈り物を首にかけてあげるイベントはまた別ですが・・・。

私立、特に有名で規模が大きい学校はほとんどが小中高一貫校なので、高校卒業まで正式な卒業式は行われません。プナホウもそういった学校の1つです。そのため、高校の卒業式は親戚や友達もみんな集まる、一大イベントとなります。

1人の生徒につき多くの参列者が来るので、1学年450人のプナホウでは総参列者は膨大な数になります。そんな大人数を収容出来て、卒業式に必要な設備が整った施設は、学校には流石にありません。
そこで、ハワイの多くの学校は「Neil S. Blaisdell Center」という、歌手のコンサート等が開催されるアリーナを借りて卒業式を行います。

卒業式の日程が重ならないように、学校間のコミュニケーションとスケジュール調整は1年前から始まるとの噂です。今年の卒業式をしたら、もう来年の事を考えなければいけないという事ですね。アリーナにとっても良いビジネスですね(笑)。

服装

アメリカの卒業式というと、ローブにあの特徴的な四角帽が思い浮かぶかもしれませんが、プナホウでは違う服装をします。

女子は「ホロク」と呼ばれる、白いフラワープリントが施されたマキシ丈のドレスを着ます。
似たようなドレスを着る学校は他にもありますが、プナホウのドレスの裏地は、プナホウのスクールカラーの1つでもあるロイヤルブルーになっています。頭には白い花で作られたハク・レイ(花冠)を被ります。

男子はプナホウのエンブレムが胸元に刺繍された紺色のスーツ、年毎に違うオリジナルのネクタイ、首には「マイレ」というハワイ固有の植物の葉を使ったレイをかけます。

ハワイでは他にも、従来とは違う服装をする高校がありますが、ローブを着用する学校もたくさんあります。因みにイオラニの女子生徒はプナホウとほぼ同じ格好です。人気のあるデザインのドレスなのでしょうか・・・?

内容

式は生徒会長のスピーチ、パフォーマンス、卒業証書授与、校長先生のスピーチ、さらにパフォーマンス、会場を出て「Leing」と進みますが、プナホウの卒業式のメインはパフォーマンスです。毎年、その学年のための卒業ソングセットが組まれることも特徴で、その内1曲は卒業生の代表者が作曲します。卒業生450人の中には、毎年誰か1人は音楽的才能を持っている人がいるので、プナホウでは長年の恒例となっています。

卒業式で歌う歌は5曲で、式当日までの約2週間は放課後に集まって歌の練習をします。練習では恥ずかしがってあまり歌わなかった人達も、本番ではお祝いの雰囲気に押されて堂々と歌っています。当日はみんなでワイワイ踊ったり、バラード系の曲に合わせてフラを披露したり、仕込んできた風船や水に浮かぶプール遊具等を投げたりします。色々カオスな状況ですがとっても楽しいです。

一方で、卒業証書授与はとてもあっさりと終わります。生徒数が多いので一人ひとりにあまり時間をかけられないのと、正直なところ、あまり長いとみんなが飽きてしまうからです(笑)。流れ作業のように終わりますが、ここはハワイ。卒業生の名前が呼ばれると、参列している親や親戚から歓声が上がります。

「Leing」

さて、「Leing」ですね!私の知る限りでは、ハワイのみで行われるイベントです。卒業式自体に来なくとも、「Leing」の為に訪れる遠い親戚や他校の友達、後輩は沢山います。卒業生の首にレイや浮き輪、紐で括られたお菓子、祝儀袋に入れたお金などを次々と掛けていくイベントです。

卒業生たちもお互いに掛け合います。定番はお花のレイですが、生花は結構高いので、私はリボンレイを30個ほど編んで友達に配りました。
本当に沢山の人からレイを掛けてもらって写真を撮るので、家に帰ってレイを全部並べてみて、改めてその多さにびっくりしました。

去年までプナホウの「Leing」は、「Neil S. Blaisdell Center」の式とはまた別のアリーナを使って行われていました。ですが、集まる人数に対応しきれなくなってしまい、今年から「University of Hawaii」 ハワイ大学の屋外になったと聞きました。他の学校の多くは、「Leing」は自分の学校の敷地で行なっています。

卒業式の夜

例年プナホウでは卒業式の後に「Neil S. Blaisdell Center」の別棟を使って夜通しパーティーをします。これが初の徹夜となる生徒もたくさんいます。携帯は禁止なので、写真は設置されていたフォトブースで撮るしかありませんが、とっても楽しかったです。私たちは176期生だったので、176と書かれたプナホウTシャツを支給され、ジーンズに着替えて参加しました。

バイキングスタイルの食事やドリンクが用意され、設置された「Wii」でみんなでマリオカートとかスマッシュブラザーズもしましたし、小学生などのパーティーで見る「Bouncy House」(空気で膨らませる、ビニールの家)や「Bouncy Maze」(同じように空気を入れて立ち上げる、ビニールの迷路や滑り台が付いている簡単なアスレチックコース)で本気で競争して遊んだりもしました。セミプロのバンド演奏もあったので、叫んで、ダンスフロアでみんなで踊って、気づいたら夜が明けていました。

翌日の朝5:30に迎えに来てくれた親は大変だったと思いますが(交通機関はないに等しいですから!)、とっても楽しかったです。「わー卒業したよー!最後の高校生の夏だよー!」という満足感がありました。

ここともお別れです

長い記事になりましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました!卒業式は本当に盛りだくさんなイベントなので、思い出深いポイントだけに絞って書きましたが、楽しんで読んでもらえたら嬉しいです。

どこの国でも卒業は大事な節目だと思います。ハワイでは卒業が夏真っ盛り、一番ハワイが輝く時期でもあるため、盛り上がりも凄いです。更に、みんな夏の終わりには様々な場所に離れ離れになってしまうので、離れがたい気持ちも強くなります。

プナホウの卒業式はとっても楽しかったですし、「プナホウに通えて今の友達に出会えて幸せだなー」とも感じました。課題が多すぎて寝不足の日々も、カーニバルで12時間立って働いたせいで歩けなくなった事も、友達と空きコマの間におしゃべりしたのも、急な思いつきで宅配ピザを頼んで「即席地べた座りピザパ」をしたのも、経験した全部が本当にいい思い出です。

さて、このシリーズも今回で終わりになります。思いつくままに書いてきましたが、誰かの役に立っていれば幸いです。ハワイの事、学生の目線から少し知ってもらえたかな?ハワイの事好きになってくれたかな?ハワイに来たくなったかな?もし、そうならよかったです。

それではまた会う日まで、アロハ〜!