ボランティアとその意味

2010年、6年生からハワイの Punahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

ハワイのほとんどの学校では、生徒全員がボランティアをする事が義務付けられています。プナホウでも、高校入学から卒業までに約40時間のボランティア時間が認められないと、卒業証書がもらえません。時間だけ見ると多いように思われますが、ほぼ全生徒がこの課題をクリアしています。

様々な組織でのボランティア

必要とされる40時間のボランティア時間の内、約25時間は学校やボランティア団体の手助けをする事でクリアできます。団体を選ぶにあたって考慮する点はいくつかありますが、大概どんな分野に興味があるか、で候補は絞られていきますね。

カイルアのビーチ

例えば「環境維持に興味がある」、「ハイキングが好き」、「綺麗な風景を守りたい」という人達は週末に集まってビーチに落ちているゴミを拾う団体に参加したり、木の苗を植える団体に参加したりします。

ホノルル市内の学校

子供の教育に興味のある人は、幼稚園や公立の小学校などでボランティアをします。実際にどのような活動をするかは、学校のその時のニーズによって様々です。テストの採点をしたり、幼稚園児と遊んだり、書類の整理をすることが多いです。

様々な団体があるので、探していけばどれか1つ位は興味が惹かれるものがあるはずです。やっぱり、自分の時間を費やす事になるので有意義に使う工夫をする人は多いです。

自分で立案するプロジェクト

さて残りの15時間ですが、これは各々が興味を持っている事を軸に、コミュニティの役に立つプロジェクトを立案しなければなりません。既存の団体と協力してもいいですが、活動自体は自分で考えなければなりません。

子ども達が作ったおにぎり

例を挙げると、ホームレスの子供の教育プログラムと連携する場合、その日教える授業はあなた自身が考えなければなりません。例えば、簡単な栄養のことを教えておにぎりを一緒に作るとか、うがい手洗いの大切さを教える為に簡単なムービーを作ってきてクイズゲームをするなどになりますね。

授業内容は学校の授業と言うよりは、普段の生活で使える内容を教える事を重視しているので、子供達が楽しく学べるものを簡単に考え、実地するプロジェクトになります。

ワイキキビーチに並ぶサーフボード

または、「海が大好き!サーフィンも大好き!」という人だったら、障害者の方と海を楽しむ活動をしている団体と協力することもできます。この団体との活動は得意のサーフィンを使って、障害のある方が各々のやり方でサーフボードに乗れる様に手伝う、波が来たら押してあげる、などのサポートが主な活動になるかもしれません。

因みに、私はプナホの言語学プログラムに協力してもらい、週1回、小学1年生に中国語を教えるボランティアをしました。中国語の先生は必ず後ろで待機してくれていたのですが、授業構成やゲームなどは私が事前に準備してきて当日実施しました。毎週授業を考えるのは大変だったし、子供達が先週習ったことを覚えているとは限らないので思うように授業が進まないこともありましたが、最後の授業に「楽しかった、ありがとう」と言われた時はすごく嬉しかったです。

最後に・・・

このように、卒業条件を満たす為のボランティアには2つのパートがあります。忙しい学生生活の中で時間を見つけて活動するのは大変ですが、沢山の良い経験ができます。

社会の中の様々な人達と一緒に何かを成し遂げることができるし、触れ合えます。
誰かの役に立っている、と直に感じることができます。
プロジェクトを最初から最後までやり通すことができます。
今まで習ってきたことを他の誰かに教えることができます。
今まで育ってきた、育ててもらったコミュニティに恩返しができます。
自分もコミュニティの一員なのだ、と感じることができます。

カイルアのビーチにて親友と

他にもボランティアをすることで、その人が得られるものはたくさんあります。

人と人との繋がり、そして人と大地の繋がり、即ちコミュニティを大事にするハワイでは、学生としてだけではなく、人としても成長できるとても大事なレッスンの1つです。