ビジネスコンテスト

2010年、6年生からハワイのPunahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

最近では色々な国で、若い世代に向けてビジネスに関する教育が行われていますが、アメリカでは少し前から既に学生用の様々なイベントを行ってきました。私も一度だけですが、友達とコンテスト型の体験プログラムに取り組んでみました。

「Lemonade Alley」とは?

Lemonade Alley」(日本語に訳すと「レモネード小道」)は、ショッピングモールの一角を貸し切ってテントを並べて、その名の通りレモネードを売る屋台の道を作り出すイベントです。1〜12年生の生徒からなるチームだけが参加できる、ハワイのビジネスコンテストです。

参加チームは小学生、中学生、高校生の部門に分けられ、リーダーの学年によってどの部門で競うかが決まります。例えば、リーダーだけ9年生(日本では中学3年ですが、アメリカでは高校初年度)で残りのメンバーが8年生(中学2年生)の場合、高校生部門での参加となります。

起業のなんたるかを実際の体験を通して学ぶというプログラムの趣旨に沿って、準備からイベント当日まで、一連の流れを生徒が中心となって進めます。

お店の名前と売る品物を決め(レモネードは必須ですが、合わせてお菓子なども売ることができます)、宣伝、商品を作って売るところまで全て自分達で行います。小学生のチームは、商品作りやお金の管理等、裏方の仕事であれば大人が手助けすることもできます。

参加を躊躇う最大の要素は金銭的な不安ですね。ですが、レモネードの屋台を作る為に使ったお金はある程度の額までなら、「Lemonade Alley」の開催企業やスポンサーから返金されます。学生は時間はあるけどお金が無い、という人がほとんどですが、この計らいによってほぼリスクフリーで挑戦する事ができます。

一方で、売り上げたお金を持って帰る事はできません。「Lemonade Alley」にはチャリティ活動としての一面もあり、参加申込み時にボランティア団体を1つ指定し、発生した売り上げは全額そこに寄付するルールとなっています。金銭面ではプラマイゼロという事です。

ビジネスコンテストということで、それぞれの部門で売上や商品の質、ビジネスプランのプレゼンテーションなどを競います。優勝したチームには賞金も贈呈されます。

大人の手助けを制限したり、学年によって部門を分けるのは、競う生徒達の経験値が釣り合うようにするためです。
高校に上がりたての9年生と卒業間近の12年生の差は大きいですが、学生と社会人ほどの差はありませんからね。

この点を踏まえると、上の例に挙げた、リーダーによって高校生部門で戦わなくてはいけない8年生メインのチームは少し不利な状況に置かれてしまうかもしれません。ビジネスを体験するため、学びが目的、と割り切っている人たちは気にしませんが、勝ちを狙うグループは不利な事態を避けるため、チームメンバーの学年も考慮しています。

私たちのレモネード屋台

私は友達4人と一緒に、高校生に上がったばかりの9年生の時に参加しました。今振り返ると、この選択は正しかったと思います。まだ中学生の幼さが残る段階で経験を積んできた高校生と競うのは確かに難しかったですが、時間も一番ありましたし、迷いなく全力で挑めたと思います。

私たちの屋台は「LemonMade」という名前で、様々なフルーツエキスをレモネードと混ぜて提供するお店でした。フルーツティーが好きなメンバーが集まったからそうなったのかな・・・と思っています(笑)。スローガンは「handmade, homemade, lemonade!」(ハンドメイド、ホームメイド、レモネード)でした。

お菓子もクッキー、生チョコ、マカロン、レモンバーなどを全て手作りして売りました。エプロンやバナーサインも手作りでお店を構えました。ハンドメイド感満載ですね。

隣に出店した12年生の男の子たちが優しい人たちで、良くしてくれた事もいい思い出です。
あちらの売り物のチーズケーキをレモンバーと交換したいと申し出てくれて、お互いのお菓子を一緒に売ったりもしました。チーズケーキ、美味しかったです。

優勝は出来なかったけど売り上げも出せて、プロフェッショナルとは程遠かったけど、初めて自分たちだけで何かを1から作り上げてテンションが上がりました!

最後に・・・

友達と何かをするのはいつでも楽しいですが、その活動が社会に何かの形で貢献出来ると、より充実感が増すと思います。「Lemonade Alley」への参加で起業について学べただけでなく、友達と一緒に計画、協力して、1日だけとはいえお店を構えることができました。一般のお客さんにも商品を買ってもらえたし、自分たちの力で海洋生物保護団体に寄付することもできました。
いい事がいっぱいですね!

プログラム開催は春なので、ハワイ市民じゃない人の参加は厳しいかもしれませんが、本当にいい経験、いい思い出になると思うので、他の場所でも開催されたらいいな、と思っています。