アルバイト

2010年、6年生からハワイのPunahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

ハワイでは高等部に進学した頃からアルバイトを始められるので、バイトをしている高校生は少なくありません。学校内でのアルバイトが多いですが、学校の外で働く生徒もいます。

日本ではバイト禁止の高校もあると聞きましたが、ハワイでは特にそういった校則はありません。学内バイトも充実しているので、責任をあまり負わなくていい高校時代にできる、社会勉強の一環として捉えています。

学校内でのアルバイト

学内アルバイトと一口に言っても色々な種類があります。事務課の事務仕事を手伝う事もあれば、食堂の配膳、年長・小学1年生の放課後アクティビティ引率、放課後の言語学童(特定の言語を使う学童保育)のスタッフ兼先生、と仕事内容は様々です。

学校内での仕事なので、学校のスケジュールに合わせて簡単にシフトを調整する事が出来ます。空きコマや放課後に数時間働く事ができるので、とても始めやすく、初めての仕事に最適です。仕事内容も、言語学童を除いて誰でもできる仕事なので、バイトのポジションをゲットしやすいです。

言語学童は、日本語、中国語、ハワイ語のプログラムがあるので、この3つの内1つを話すことができれば働くことができます。

耳を慣らすためにイマージョン教育(対象言語を学ぶだけでなく、その言語環境で過ごしたり他の教科を学ぶ)を採用しているので、時間中はずっと対象の言語で話さなければいけませんが、教える相手が小学校低学年という事もあり、そこまでハイレベルな言語能力は求められません。高等部で必修の外国語を練習するために、学童保育の先生を希望する生徒もいます。

私も学内バイトで日本語学童の先生をしていました。週2日だけでしたが、仲のいいクラスメイトや後輩もでき、日本語を習う小学生も可愛くて楽しい仕事でした。

学内バイトの時給はハワイ州の最低賃金です。私が働いていた時は$10.50位でした。最低賃金ですが、ストレスが少なく融通もきくアルバイトなので、文句は特にないでしょう。

学校外のアルバイト

生徒の中には、通勤してでも、シフトの縛りが多くなっても学校の外で働きたいという人もいます。将来やりたい事が決まっていて、バイトでその一歩を始めたい、外のバイトの方が学べる事が多そう、時給がいいから等、学校外のアルバイトを選ぶ理由は様々です。

高等部に上がった時点(14歳)からアルバイト自体は可能ですが、16歳になるまでは様々な制約が設けられています。21時以降は働けない、勤務は週15時間まで、等が例として挙げられます。ですが、プナホウの高等部は課題が多くてそんなにたくさん働けないのが現状なので、プナホウの生徒にとって制約はあっても無くても同じようなものでしょう。

また、高校生は大学生や社会人に比べて働ける時間が限られているため、雇ってくれる職場のほとんどがサービス業です。飲食店、書店、服飾店等になりますね。その他夏季限定で、勤務時間が長い病院やホテル、ブライダル関係の仕事も可能です。

私の周りでは、学外でのアルバイトをしていたのは私を含めて3人だけでした。3人とも飲食店(私はクレープ&ピザ、1人はケーキ屋、もう1人は回転寿司)でしたが、理由はみんな同じで、まかないがあるからという単純なものでした(笑)。

飲食店のバイトは、一度は経験した方がいいと私は思っています。立ち仕事なので体力的にきついですし、難癖をつけるお客さんも多く、更にハワイの飲食店はほとんどどこでもお酒を提供しているので、様々な状況の対応に慣れます。こういったバイトを経験すると、お店の店員さんに優しくしようと思えるし、その先のバイトの姿勢にも影響してくるので、学べる事は沢山あると思います。あと、まかないがついてきますし(笑)。

学外で働いている生徒は、学内アルバイトをしている生徒に比べて非常に少ないです。ハワイは電車がないので、親に送迎を頼むかバスを使ってバイト先に行かなければいけないのですが、子どもをバイトに送る為に仕事を抜け出せる親は少ないですし、バスも遅延しがちなのであまり頼りになりません。また、学内の仕事とは違って、求められるシフトの時間も日数も多いのも難点です。

学校外でのアルバイトの時給相場はおおよそ$12です。学内アルバイトでもらえる時給より$1.50程高いので、6〜8時間程働くと$9〜11程度の違いになります。

最後に・・・

校則で規制されてないとは言え、交通機関があまり発達していないハワイでは、学外でのアルバイトは少し難しいです。それでも一定数の生徒は外でバイトをしていて、みんな後悔なんてしていません。お小遣いも稼げるし、経験があると大学でもっといいバイトにつきやすいこともあり、いい経験だと思って働いています。

学内アルバイトは実際に外で働くより得られるものは少ないかもしれませんが、それでも学べる事は沢山あります。それに、仕事という面から学校と関わる機会はなかなか無いと思います。自分の学校がどのように機能しているのか、生徒のためにどんなプログラムを考案しているのかを直に体験する事が出来るので、中々面白いです。

アルバイトは学生だからこそ気楽にできる事です。クビになっても予定が合わなくなって辞めてしまっても、ストレスで押しつぶされそうになったり、お金が無くて生活できない、などの危機的な状況に陥る事はほとんどないでしょう。

うまく行かなくてもなくすものが少なく、得られるものは多いので、高校生の時こそバイトを始めてみるのはいいアイディアかもしれません。