授業紹介 – ジャーナリズム –

2010年、6年生からハワイの Punahou School に通い、卒業後は日本の大学の国際教養学部に通っています。ハワイでの高校生活や、普段の生活を通して感じた事、体験した事をみんなとシェアしたいと思います。

プナホウでは10年生(高校1年生)までは、全員が「English I」と「English II」と呼ばれる一般的な国語の授業を取ります。先生によって授業内容に多少の違いはありますが、「Quality Project」という自由研究のようなものと、シェイクスピアやHarper Lee著作の「To Kill a Mockingbird(アラバマ物語)」、J.D. Salinger著作の「Catcher in the Rye(ライ麦畑でつかまえて)」などの抽象的な表現が多い本を読んで、クラスでディスカッションする授業が中心です。

11年生からは前学期と後学期で年度に2回、国語の選択科目を選びます。好みの本や書きたい文章、楽なクラス、人気の先生など選び方は人それぞれです。その中で、私はある学期に「Journalism(ジャーナリズム)」というクラスを選択しました。

どんな授業内容?

「Journalism 」のクラスでは、簡単に言うと、新聞記事について様々な視点から学びました。

例えば、先生が選んだニュース記事を読んで、簡潔、効率的に情報がまとめられ理解しやすいか、賛否両論ある内容だったら筆者はどちら側に寄っているのか、最近フェイクニュースが多発してきたことを踏まえてこれは信憑性のあるニュースなのか、また何を根拠にそう思うのか、などをクラスメイトとディスカッションします。

他には、自分が感心のある事、かつ世間に影響がある事柄についてリサーチして意見を述べたり、インタビューをして内容をまとめたり、学校や身の回りで起こった出来事を読み手に伝えられるように記事を書いたりしました。

1学期で計3つの記事を書いて提出しました。記事を書く際は、実際のニュース記事を読んでディスカッションして得た知識や考えを応用します。習った事をもとに、持っている情報をどれだけ有効に効率的に駆使して、自分の言いたい事を誤解なく分かりやすく読み手に伝えられるかが試されます。

授業では、ジャーナリズムに関連のある映画やドキュメンタリーなどを観ることもあります。後日ディスカッションの機会が設けられ、そこから最大限のものを得るためにみんなで話し合い、発見を共有したり理解を深めたりします。
ジャーナリズムの先生は話が面白く物腰も柔らかいので、生徒からの人気は中々高い方です。

また、授業の一環として週1回、図書館で他の生徒の作文の見直しをするボランティアを勤める事が義務付けられています。同じアカデミーに在学する様々な生徒が様々な国語のクラスのための作文をもってくるので、色々なタイプの作文の書き方を見る事ができます。

他人の書いたものを客観的に何度も見る事によって、自分の書く作文の癖や問題点、良い所なども少しずつ見つけられるようになっていきます。そして、他人の作文で気に入った表現の仕方を見つけたら取り入れてもいいです。他の生徒達を助けるボランティアですが、自分にもメリットは十分返ってきます。

最後に・・・

ここまで読んで気づいたかもしれませんが、この授業の大部分をディスカッションが占めていますね。様々な資料からインプットして、みんなで話し合って、刺激し合って、情報や感想を共有してから自分の考えを固めてアウトプットする流れが見えます。

人に何かを教える時や説得するときは、自分自身の理解と想いが深くないと上手く伝わりません。人にものを伝えるジャーナリズムについて学ぶためには、「Journalism」の授業はとてもいい環境だと思います。