FACTS LIFE

数字で読み解くハワイ生活 – 社会(人種・治安・医療)編

ごきげんよう。ゆたかです。「最新ニュースではないけれど、読んで面白い」そんなハワイ情報を定期的にお届けします。前回に引き続き、統計の数字をもとにハワイでの生活を読み解いていきたいと思います。
前回は「気になるお金の話」という事で平均収入・支出内訳等の統計を元に、経済的な側面からハワイでの生活をイメージしてみました。今回は治安や医療など社会面に焦点を当て、生活環境について掘り下げていきます。

人種構成

英語を話せなくても不自由なく過ごせる異国、ハワイ。日本語が通じて、アジア系の見た目の方も多い気がしますが、実際にはどのような人々が住んでいるのでしょう。

多人種社会のイメージに違わず、混血人口(いわゆるハーフなど、2つ以上の人種の血を引く人)の割合は約25%で全米1です。2位はアラスカの7%なので、ダントツの首位ですね。ハワイアン、コケイジャン、韓国、日本、中国、フィリピンなどの様々な人種と文化が混ざり合っているのがハワイです。ハワイ州の17.7%が米国以外の出身であり、中でも一番多い人種はアジア系で、約40%を占めます。日本でのハワイ人気からもご想像がつくかと思いますが、全体の約15%、アジア系の内約40%は日本人となっています。
日本人の数が多い事も安心できる一因ですが、様々な人種を受け入れる素地があるという点は、移住・留学を検討する際の大きなポイントではないでしょうか。
(注:図1、2と表1は引用元が異なりますので、数字に多少ずれがあります。)

言葉に関しては人種の多様性が影響し、残念ながら「英語を流暢に話せない人口(5歳以上)」が全米4位となっています。家庭で英語以外の言語を使用している割合も高めです。25%が2ヶ国語以上を話し、主に使用されている英語以外の言語は、多い順に太平洋諸島の言語、日本語、タガログ語です(*1)。

人種から離れますが、高齢者(65歳以上)の人口が比較的高く、世帯あたりの平均人数も50地域中2位という統計は、コミュニティを大切にし、3世帯以上で住む家族が多いというハワイの素敵な文化を裏付けているようですね。

ハワイ州 全米平均 差% ハワイ州順位
複数人種(混血)人口 24.5% 3.1% +21.4% 1
高齢者人口指数 26.9 23.9 +3.0 9
世帯あたり平均人数 3.11 2.65 +0.46 2
英語以外の言語を家庭で使用 26.1% 21.5% +4.6% 9
英語を流暢に話せない人口 12.4% 8.6% +3.8% 4

表1. Hawaii Rankings and Comparisonsより

治安

失業率・貧困率の低さから、平均して安定した生活を営んでいる事が推測できます。

ハワイ州 全米平均 差% ハワイ州順位
失業率 3.6% 5.3% -1.7% (低い方から)6
貧困率 10.6% 14.7% -4.1% (低い方から)7

表2. Hawaii Rankings and Comparisonsより

ただ、「ハワイは安全」という私たちの思い込みを覆すデータもあります。表3はハワイ州が発表したデータではなく、McKinsey and Campanyがまとめたものですが、実は窃盗犯罪率が全米中で最も高く、10万人あたり3,796件となっています。最も少ないバーモント州では10万人あたり1,407件ですので、約2.5倍の発生率です。さらに凶悪犯罪率を加味して総合的に評価すると、治安は全米50地域中43位です。

ちょっとショックな情報ですが、世界中で観光地は犯罪率が高い傾向がありますので、やむを得ないのかもしれません。「ハワイはまるで日本」という安易なイメージに惑わされず、しっかりとした自衛が必要なようです。

治安 窃盗犯罪率(低い順) 凶悪犯罪率(低い順)
1 バーモント 1 1
2 メイン 9 2
3 ニューハンプシャー 6 4
43 ハワイ 50 20

表3. Best States Data Powered by McKinsey and Companyより

医療

健康保険の加入率は児童を含め、とても高い事が分かります。2010年に施行された「オバマケア」によって米国民は皆、勤務先または個人で公共の保険への加入が義務づけられましたので、保険加入率はハワイに限らず急激に高くなったという背景があります。ただ、その中でもハワイ州が上位に入っているのは、ハワイ州行政の積極的な後押しがあるようです。

ハワイ州 全米平均 差% ハワイ州順位
健康保険加入率 96.0% 90.6% +5.4% 4
(民間)健康保険加入率 76.5% 67.5% +9.0% 4
健康保険未加入児童 1.6% 4.8% -3.2% (低い方から)4

表4. Hawaii Rankings and Comparisonsより

健康に関しては嬉しいデータがあります。下の表の通り、医療機関へのアクセス・質・健康状態の総合評価から、ハワイは全米50地域中最も医療環境の優れた州と評価されています。
表5中、「医療機関へのアクセス」は健康保険の加入率、過去1年間の歯科検診・健康診断のための医療機関への受診の有無、医療費の3項目を元に評価しています。医療費に関しては「過去1年間で医療機関受診の必要があったにもかかわらず、費用の問題で受診しなかった事があるか」という質問への回答を数値にしていますので、実際の医療費を比較したものではありません。よって、ハワイ州の個人が負担する医療費が低いとは言い切れませんが、この項目で5位につけている事から、ハワイの人々は健康を重視し、医療にかけるコストを惜しまない傾向があると言えるのではないでしょうか。

医療環境 医療へのアクセス 医療の質 住民の健康状態
1 ハワイ 2 3 1
2 マサチューセッツ 1 15 5
3 ミネソタ 8 8 7
最下位 アーカンソー 38 50 48

表5. Best States Data Powered by McKinsey and Companyより

表5の「住民の健康状態」については、下の表6が元となっています。表6中の「率」は低い順に順位が高くなっている事にご注意ください。
(失礼かもしれませんが)肥満率の低さに驚きませんか。ボリュームもカロリーもたっぷりなハワイの料理から、肥満率の高さを予想していましたが、実は全米2位の低さです。アメリカでは貧困層ほど肥満率が高い傾向があります。質の高い、健康に良い食料品を購入する経済的余裕がない層が、安くカロリーが高い割に栄養素の乏しい食料品に依存し、結果として肥満が増えてしまうようです。その点、ハワイの人々は質の良い食品を購入するだけの経済的余裕がある家庭が多い、または健康への関心が高いと推測できます。

表6の指標となっている肥満、喫煙、精神衛生には密接な関係があると言われており、ハワイの保健省(Departmet of Health)は住民の健康増進のために、禁煙、運動の推奨などについて総合的なサポートプログラムを提供しています。結果的にハワイでは鬱の罹患率が非常に低く、日常的に身体を動かしている人の割合は多くなっています(*2)。確かに、ビーチの横や公園をランニングする人、ヨガやフラを楽しむ人はとても多いですよね。

健康状況・医療環境の良さを最も端的に表しているのは、平均寿命ではないでしょうか。ご存知の通り、ハワイは全米で一番平均寿命が長い州です。人々の意識とそれを支える行政、コミュニティへの帰属意識やそのサポート体制によるストレス緩和など、様々な要因があると言われています。ここまでの統計を通して、ハワイには健康に長生きできる環境が整っている事が具体的に理解できますね。

健康状態順位 乳児死亡率 死亡率 肥満率 喫煙率 自殺率 精神健康状態
1 ハワイ 6 1 2 8 23 3
2 ニュージャージー 4 8 2 4 2 2
3 カリフォルニア 1 2 4 2 7 37
最下位 アラバマ 50 47 49 41 26 25

表6. Best States Data Powered by McKinsey and Companyより

さて、ハワイの社会面、いかがでしたか。治安の不安という意外な事実も見えましたが、日本人の多さや医療環境の充実など、心強い事実をデータからはっきりとうかがい知る事が出来たのではないでしょうか。次回はハワイに住むなら避けて通る事が出来ない、住居関連について読み解いていきたいと思います。どうぞお楽しみに。

*1:The State of Hawaii Data Book 2015 Section 1.45より
*2:Hawai’i Health Mattersより

BIHI
BIHI
ハワイの最新情報をお届けいたします。