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違うのが当たり前のアメリカの学校で学んだ ハワイの公立学校と障害者

浅井力也くんは現在37歳。彼が生まれた30年以上前の日本ではまだまだ障害者に対して一般の人の理解も違っていたと話すのは、お母さんの美和子 Lueckさん。縁があって、サイパンからハワイに移ってきて、その後オアフ島のワイキキにあるトーマスジェファーソンエレメンタリーに入った。ここはワイキキの動物園からも近いところに建つ学校であるが、それだけではなく、多くの障害者を受け入れている学校でもあった。
OTPTと言って、生活指導者、音楽療法、理学療法、そして看護師まで公立の学校内に完備されている。この学校は健常者だけではなく障害者を受け入れる数的にも、オアフ島の中でも群を抜くほど多かったと美和子さんは話す。「その子の状態を見て、ハワイアン語、コンピュータクラスには通常のクラスにも入っていきました。またランチでは皆カフェテリアでご飯を食べるのですが、通常の子供が自発的に1年のバディ(パートナー)を組み、一緒に食事を取るようにしていました」と続けた。

ハワイには日系、中国系、韓国系、白人、フィリピン系、ハワイアンと実に多くの人種がいる。また混血、あるいはもっとたくさんの人種を祖先に持つ子供も多く、違うのが本当に当たり前の環境で育っている。精神障害を持つ子供のケアも充実していて、通常のクラスの中で、一緒に授業を受け、そのような子供に対してはマンツーマンで指導者が常に寄り添っているのも当たり前のようにクラスに1、2名はいるという感じだ。

また学校のスタイルでは日本と違うなと感じたのは、押し付けない学習だとは美和子さんの弁。遊びながら自覚を持たせる、希望を持たせるものが多いと話す。また「バックワードの日」には服をわざと反対に着てくる日、「パジャマの日」にはパジャマとお気に入りのぬいぐるみを持ってきたり、「ヘアの日」では緑や青の髪にしてやってきたりと遊びをかなり含んでいるのも特徴です。また子供同士の喧嘩でも、校長先生が二人を呼び出し、とことん話をして、自分の意見をお互いぶちまけ、最後はお互いハグをして蟠りを無くすようにする。そしてクラスの中で、子供が悪いことをした場合は、そこで注意をしないで、呼び出して注意をするなどなど、伸び伸びとした中で教育を受けられたことは良かったと結んだ。