EDUCATION

私立受験のための学習塾「インテリュー・ラーニングセンター」

ハワイの多くの私立学校では、中学1年、高校1年にあたる6年生、9年生で入学試験がある。その際に使われるのが、SATやSSATと呼ばれる共通試験だ。SATやSSATで少しでもいい点数を取るために、ハワイには50以上の塾があると言われている。その中の1つ、オアフ島のモイリリイリにある「Intelleyou Learning Center(インテリュー・ラーニングセンター)」のミヤモト先生に話をお聞きした。

増える私学受験生

ハワイ出身のミヤモト先生が「Intelleyou Learning Center」を開いて15年が経つ。私立学校の授業料が年々上がる一方で、2012年以降、塾の生徒数は増加傾向にあるという。

その理由について、「保護者の方々は、教育において子どもたちに少しでもいい機会を与えたいと願っています。アメリカ本土の大学や、知名度や人気のある大学に行けるチャンスが少しでも大きい学校へ通わせたいと、私立学校を検討する保護者が多いのでしょう」とミヤモト先生は話す。

プナホウ、イオラニを志望校として掲げる生徒が多いが、ミッドパシフィックインスティチュート(MPI)、メリノール(Maryknoll)、ハワイバップティストアカデミー(Hawaii Baptist Academy)なども人気だという。

「Intelleyou Learning Center」で教える教師は、全て大学を卒業している。中学、高校の受験合格のためには「SSATの点数が合否を決める大きなポイントとなるため、対策に力を入れている」と話す。

ハワイの私立受験は年々競争が激化している。例えば今年は、定員60名のイオラニの枠に400名以上が応募した。生徒によって志望校はそれぞれだが、最も人気のあるプナホウとイオラニであれば、「協調しながら勉強するスタイルがプナホウ、個人個人で勉強するのがイオラニという感じでしょうか」と、学校の違いについてミヤモト先生が教えてくれた。

普段の授業のサポートも

現在「Intelleyou Learning Center」の生徒数は約40人。1年の間の生徒の数には波があり、1番の増えるのは毎年9月から11月ごろ。翌年の私立中学、高校受験のため、受験1年前のこの時期に入ってくる。その次は6月中旬から7月中旬。ハワイの夏休みにあたる時期で、休み中に勉強の補強を考える保護者が子どもを塾に通わせるという。

6年・9年生の入学、4年生の編入準備のために通う生徒が3割、大学入学に向けて通うが生徒2割、他は普段の授業の補強や毎日の宿題のサポートとして利用する1年生から12年生の生徒だ。
受験のために通う生徒と日々の授業の補強のために通う生徒は、おおよそ半々の割合となっている。

通う頻度は生徒それぞれだが、週1、2回が多い。マンツーマン、数人のセミプライベート、それ以上のグループ授業があり、形態により値段は異なる。プライベートだと1人あたり1時間56ドル、2人のセミプライベートなら37ドル、5人までのグループレッスンだと21ドルという具合だ。中学、高校受験を控える生徒には、SSAT対策だけでなく、面接やエッセイなどをパッケージとして通うことを勧めている。

卒業後の進路とアメリカの大学教育

「Intelleyou Learning Center」の卒業生の進学先は、現在のところアメリカ本土の大学とハワイの大学と半々。だが最近では、日本の国籍を持つ生徒が、日本の大学へ進入することもあるという。

アメリカの大学について「卒業までに、もっと仕事に直結するようなスキルを身につけられるようなカリキュラムになるといい」とミヤモト先生。残念ながら今のアメリカの大学多くがそうではなく、生徒もはっきりとした志望が定まらないまま、大学へ進むケースが多い。その結果大学途中で学部を変えたり、卒業してからまた別の学部を受けなおしたり、あるいは大学院へ進むことも珍しくない。

「その結果、お金ももっとかかってしまうわけで、できれば高校生の時に将来なりたいものを決められるようになるといいですね」とミヤモト先生は話す。

日本でもアメリカでも、高校生の時点で将来の道まで決めることは非常に難しいが、現在のアメリカの大学授業料を考えると、身につまされる思いがあるのも事実だ。

Intelleyou Learning Center, LLC

住所1019 University Ave. Suite 103 (First Floor), Honolulu, HI 96826
電話808-946-5500
ホームページIntelleyou Learning Center, LLC

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