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増えるバケーション・レンタル 地元住民は賛否両論

代替宿泊施設の需要が高まるハワイでは、投資不動産を購入、リノベーションし、バケーション・レンタルに出すことは不動産投機家にとってもはや常套手段だが、住民と観光業界従業者からは反感の声も大きい。

  • 増加する旅行客の受け皿としてバケーション・レンタルの需要が高まっている
  • 不動産で収入を得られる一方、規制が追いついていない、住環境の悪化などマイナス面も
  • バケーション・レンタルを宣伝するセミナーには抗議の人々が集まることも

高まる需要

右の表から分かるように、現在は旅行者の6割をホテルが受け入れている。だが、ハワイの観光業界は6年連続で業績を伸ばしており、すでにハワイへのフライト増便や新規就航が決定している航空会社もある。増加する観光客に宿泊施設数が追いつかないことが懸念される。
今年ハワイを訪れた観光客を対象に行われた調査によると、15%の回答者が代替宿泊施設がなければハワイへは来なかったと回答した。また、バケーションレンタルに宿泊した客のうち33%が、観光ゾーン外の施設を選んでいる。

代替的宿泊施設利用者による消費は昨年、少なくとも$1.87億に上ったと見積もられている。

宿泊施設 割合
ホテル 62%
コンドミニアム 17%
タイムシェア 9%
クルーズ船 1%
友人・親戚 9%
レンタル住居 8%
住宅のプライベートルーム・共有ルーム 1%
その他B&B、キャンプ場、ホステル 1%

2016年ハワイ訪問者の宿泊施設選択

バケーション・レンタルの可否

バケーション・レンタルを支持する住民は、住民には不動産を運用する権利があり、バケーション・レンタルとして不動産を運用することでプラスアルファの現金収入を得ることができ、さらに宿泊場所を提供する事で観光業の助けにもなると主張している。Airbnbによると、ハワイのAirbnbホスト(受け入れ側)は昨年、約694,800人の宿泊者を受け入れた。1泊の平均レートは2016年は$169で、2015年と比較して8%近く高い。ハワイ州の4つの主要な島において、約8,100のアクティブなAirbnbホストがいると見積もられている。ハワイの典型的なAirbnbホストは年間56日貸し出し、$15,600を稼いでいるという。

一方で、そもそも許可のない宿泊施設提供は違法であり、バケーション・レンタルの広がりは近隣のコミュニティや税基盤への害となり、渋滞を悪化させ、不動産価値のインフレを引き起こすと批判する住民も多い。より厳格な法規制を求める声も大きいが、議員にとってはどちらの立場をとるか難しい選択となる。

ハワイでは1989年から、新たなバケーション・レンタル許可を猶予している。当時は約2000軒の許可を得たバケーション・レンタルがあったが、現在は755軒のバケーション・レンタルと41軒のB&Bにまで減少している。

(ホノルル・スター・アドバタイザーより引用)

コメント

数字が相互リンクしていないので何ともいえませんが、典型的なAirbnbのホストを取り上げると、年間56日と15%、180万円程度では維持管理費用を考えると、あまり面白みがないように思えてしまいますね。既に供給過多の面もあるんでしょうかね。住民の気持ちが大切、さりとて一番の収入源の観光も大事。今後ますます難しい問題になりそうですね。ーBubble Age

民泊は東京など日本の観光都市でも問題になっていますから、他人事ではありませんね。ーユーコ

ハワイでもB&Bの流れは無視できなくなっているようですね。宿泊客の近隣住宅へのマナーの問題もあるので、住民には悩ましい感じですね。 ーKID

BIHI
BIHI
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