EDUCATION

高校卒業式前の行事、卒業礼拝「バカロレア」

5月後半から6月1週目にかけて、ハワイの高校は卒業シーズンを迎える。公立高校では比較的早く、5月中に卒業式が行われる。まだまだ大学の卒業率が日本より高くないハワイでは、高校の卒業式が大きな節目である。高校の卒業式は大学の卒業式よりも盛大で、多くの親戚や知人などが総出で祝う事で有名だ。首が見えなくなり、顔までかかるほど何重にもレイをかけての写真撮影が風物詩。盛大な式の後、公立は2ヶ月、私立は3ヶ月弱の長い夏休みに入る。

プナホウ・スクールの卒業式は6月3日だが、その1週間前にBaccalaureate(バカロレア)と呼ばれる、卒業礼拝が行われる。ハワイの公立校ではあまり行われていないようだが、プナホウ・スクール、イオラニ・スクール、ミッドパシフィック・インスティチュートなどの私立高校では毎年の恒例行事となっている。

Baccalaureateは1400年代にイギリスのオックスフォード大学で始まったとされる、キリスト教に基づく行事だ。大学、短大、高校などの高等教育機関卒業の前に集い、学業の軌跡を振り返り、感謝し、卒業後の未来のために祈る。学部長や生徒のスピーチ、司祭による訓話、賛美歌やその他の歌によって構成される事が多い。場合によっては地域の指導者や功績のある卒業生なども出席し、祝辞を述べる。
聖体拝領やミサを行う事もあるが、現代では特定の宗教を標榜する教育機関を除き、宗派に偏らない行事となっており、特に公立の教育機関でのBaccalaureateは宗教色を排除したものとなっている。
開催は卒業式の前の日曜から卒業式同日まで様々であるが、式の後に行われることはない。開催場所は教会が多く、プナホウ・スクールでは毎年校舎近くのユニオンチャーチで開催される。

2017年のプナホウスクールのBaccalaureateは5月29日に開催された。夕方6時の開始だが、5時少し過ぎから出席者が集まり始めた。通常の卒業式では知人や親戚など、卒業生1人あたり10人から20人と大量の人が集まるが、Baccalaureateでは直近の親族のみ。つまり両親と兄弟のみの参加が許されている。

400名超の卒業生とその両親らで、チャーチはいっぱいになった。女子学生はホロクと呼ばれる丈の長い白のドレスと茶色のサンダル、男子学生はプナホウのエンブレムのついたブレザー姿。Baccalaureateの服装は卒業式と同様に角帽とガウンが定番だが、プナホウ・スクールでは1963年から生徒の希望で白いドレスの着用が伝統となっている。これはイオラニの生徒も同様のようだ。

7時から教会に入り、ディーン高等学部長や学生のスピーチ、ハワイアンの歌と続き、式は静粛な空気の中、1時間ほどで終了した。数日後に控えた卒業式の後は、ハワイを離れる生徒も多い。それぞれの旅立ちまでに残された時間を惜しむように、式の後も生徒同士での会話や写真撮影が続いた。残りわずかの高校生活の大切な思い出となるBaccalaureateであった。

Punahou School

住所1601 PUNAHOU STREET, HONOLULU, HI 96822-3336
電話808-944-5711
ホームページPunahou School

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