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ハワイ在住 日本人写真家石丸さんに聞く – ハワイでの仕事と生活

日本でカメラマンとして働き、ハワイに移ってもうじき4年になるカメラマンの石丸智仁(イシマル トモヒト)さん。今年11月に2年をかけた大作映像集「絶景ハワイ〜海と大地が生み出すハワイ4島の奇跡〜」を発売し、現在好調に売り上げを伸ばしています。ハワイで充実した職業人生を送る石丸さんに、仕事のこと、生活のことをお聞きしました。

<渡航前>
Q. ハワイに移住したきっかけを教えてください。

笑顔で話す石丸さん

A. 妻が仕事でネイルエステをやっていて、海外にも店を持ちたいということもあり、永住権の抽選に応募しました。その結果1回目で当たったんです。
妻とはもともとダイビングで知り合ったということもあり、二人とも暖かい南の島が好きで、アメリカに行くならハワイしかないね、と。そういったわけで二人でハワイに来ました。

Q. 日本では出版社のカメラマンを13年間、その後フリーで2年ということでしたね。

A. はい。出版社時代はダイビング雑誌を担当していたので、沖縄や海外の撮影が多かったです。水中写真が半分以上、その他リゾートの写真、インタビュー物も撮りました。
その後フリーカメラマンになってからは、東京で旅行関係の仕事が多かったですね。ワーキングホリデーでオーストラリアにいたこともあったので、海外へ渡ることへの抵抗もなかったです。

Q. ハワイ移住の準備期間は?

A. 1回家を見に来たくらいで、ビザを取得して8ヶ月後にはハワイに渡っていました。初めての海外がハワイだし、大学の時に1ヶ月来ていたことがあり、印象も良かったです。その後弁護士さんを雇って法人も作りました。

<ハワイでのお仕事>
Q. ハワイに来てからのお仕事はどうでしたか?

A. 2−3年くらいは全てが新鮮で、ハワイの道、お店や撮影場所も分かってくるようになりました。でもだんだんマンネリ化してきて、外の仕事もしたくなりましたね。そこで知り合いを頼りに、年に2、3回は他の国の仕事をするようになりました。ニュージーランド、メインランド、カンボジア、アイスランドの景色を撮影したり、本格的な動画の仕事も受けました。

Q. 今のお仕事は日本の企業、ハワイの日系企業との取引が多いですね。

A. そうですね。ハワイはコミュニティが小さいので、人の紹介で受ける仕事が多いです。だから全然違う業界の飲み会に参加するとか、いろいろなところに顔を出すようにしますね。そうやってできたつながりから、メディアの仕事以外、例えば不動産会社のサイトの撮影依頼を受けたことなどもありますね。

Q. 仕事の環境について、日本との違いはありますか?

A. ハワイは狭い島で、雑誌媒体がたくさんありますから、違う撮影で同じお店に2回、3回行くということも多々あります。だからちょっと新鮮味が薄れてしてしまうのは否めませんね。だけど現場がすごく近いので身体は楽です。仕事が終わって5分で家に帰れてしまう時もあります(笑)。日本だと渋滞があったり、職場まで片道1時間かかる事も普通ですし。東京にいた頃は、伊豆の撮影で早朝5時に出て、夜遅く帰ってくるとかもありましたね。

Q. ドローン撮影を早くから取り入れていたようですね。

A. そうですね。今は仕事関係の場合はライセンスが必要なんですが、僕が始めた当時はまだ規制がありませんでした。僕は性格的にいろんなことをするのが好きで。機材も2万ドル近くかけて購入しました。今回の映像集「絶景ハワイ」がほぼ初めての動画の仕事だったんですが、ドローンも使いました。でも、これに挑戦したことで、新たな動画の仕事も入るようになりました。

<これから>
Q. 今後のビジネス展開について、どのようにお考えですか?

A. 今は素人でもスマホで撮影できる時代ですから、自然系の写真一枚の価値というのは下がってくると思います。同じ時間に同じ場所にいれば、プロの方が機材もいいわけで、いいものが撮れるんですよ。ただ、アマチュアの人の方がいい瞬間にいるというケースもあります。例えばどんなにテクニックがあっても、海の透明さとか、その瞬間の自然に関しては勝てない場合もあります。
そう言った意味では、プロのカメラマンの価値というのは落ちているかもしれませんね。でも与えられた時間と環境の中で結果を出していくのが、プロということだと思います。これからプロのカメラマンとしてやっていくには、写真が撮れるだけではダメで、プラスアルファや発信力が必要だと思っています。

Q. プラスアルファとは?

A. 写真撮影を一つのツールとして、プラス、ツアーをやるとか。水中の写真も、技術的に撮影ができるだけではなくプラスアルファが必要になってきていると思います。例えば撮影の経験を講演したり、テレビのコメンテイターになったり、実績を積んで写真集を出したりとかが必要になってきているように思います。

僕はハワイのカメラマンとして、ブログを1週間に1回くらい書いています。いろいろな場所を撮影しているからこそ見えてくることがあるし、フォトグラファーとしてハワイの観光業に関わっているという意識もあるので、そういった視点から発信しています。最近はブログのアクセス数も増えてきていて、そこから写真撮影依頼が来たりもします。

(石丸さんのブログはこちら。)

Q. これからの仕事についてどのようにお考えですか?

A. メディアの仕事が好きです。ただこれから減っていく可能性があります。今若い人はメディアに流れてこなくて、カメラマンはウェディングカメラマンになる人が多いようです。

そんな現状での鍵は「個人と個人」だと思います。ウェディングもそうだし、ハワイ撮影もプロに撮ってもらいたいと、ネットで探している人ももちろんいます。SEOを使ってブログも書くようになってから、アクセス数が上がってきたんですよ。企業に属していない個人のカメラマンに依頼する方がコスパがいいので、個人のカメラマンを探して申し込みが入るんです。

将来的にはパッケージにしてウェディング関係もやっていきたいと思っています。日本では土日の撮影が多かったのに対し、ハワイでは平日の撮影もありますから。ハワイって生活コストが高いですからね。

<ハワイでの生活>
Q. ハワイの生活コストは東京とは違いますか?

A. 東京の給料の1.5倍はないと、ハワイで同じような暮らしはできないと言われています。色々な事に手を広げて、今やっと東京時代とほぼ同じ額の収入まで来ましたが、まだまだ。間口を広げる努力しています。
例えば、日本でフリーの頃は新規の営業もほとんどしていなかったけれど、ハワイに来てからはいろんなところに顔を出すようにしているし、それによって紹介で仕事が舞い込んできたりします。
ハワイはお金がかかるので、蓄えてからハワイに来るか、ビジネスプランがしっかりあるか、不労所得があるとか、何かしら策が必要ですね。

Q. ボランティア活動もされているそうですね。

A. ボランティアを前からやりたいと思ってましたが、なかなかできなくて、そんな中「海さくら」を知って一度参加しました。「海さくら」は日本一楽しいゴミ拾いを目指す湘南発祥の団体で、ハワイに海外支部ができたんです。ハワイに住ませてもらっているから、ハワイに恩返ししたいと考えています。

Q. ハワイは州外からきて生活している方が多いから、そういう気持ちになるのしょうか?

A. ハワイは恩返しと寄付の文化があるから、意識が高いのかもしれないです。日本人でも、ハワイに住んでいる人はそういう意識が高いですね。
僕も、特に海の水中清掃をしたいという気持ちが以前からありました。アラモアナのマジックアイランドに潜ったことがあるんですが、海の底にビニールがすごくあるんですよ。「海さくら」の活動に参加したことをきっかけに、近いうちに始めようかと思っています。

2018年の年明けで移住5年目を迎える。ハワイの生活と仕事が軌道に乗り、新しいフェーズへと踏み出した石丸さん。これからの活躍も確実だ。

記事内の画像はご本人の画像以外全て、石丸さんが撮影したもの。ご興味を持たれた方は、こちらから石丸さんのウェブサイトをご確認ください。また、記事では詳しく触れていませんが、「アロハフォトアカデミー&ツアーズ」というツアー形式の写真講座も主催。
11月に発売されたDVD・ブルーレイ「絶景ハワイ」に関する詳細記事はこちら。抽選で1名様に「絶景ハワイ」ブルーレイが当たる、プレゼント企画を実施中です。

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