高まるオアフの住宅需要の解決に、関係者は頭を悩ませている。先週郊外の大規模コミュニティ「Koa Ridge」の起工式が行われたが、郊外を新しく開発するよりも、既に開発されている都市部の密度を高めるべきとの主張もある。
- 先週着工した郊外の大規模コミュニティ「Koa Ridge」の住宅供給予定数は10年で3,500戸
- オアフで今後10年で必要になると予想される住戸数は25,000戸
- 環境保全や通勤による交通への影響を考慮すると、既存の都市部を過密化させる方が現実的
都市部を高密度化するべき理由
1. 交通渋滞の緩和
郊外を開発した場合、コミュニティは確実に鉄道から遠くなり、面する国道や高速道路の使用量が大幅に増加する。特にコミュニティがベッドタウンとして開発される場合、都市部への通勤のためラッシュアワーの混雑は不可避。
都市部を高密度化することで・・・
ホノルル鉄道駅周辺を重点的に開発することで、自家用車に代わる鉄道の利便性を最大限に引き出すことができる。また、コンパクトな都市をつくる事で、コミュニティ内の移動は自転車や公共のバスなど、よりグリーンな代替手段を活用する事が可能となる。
2. 環境保全
「Koa Ridge」も環境保護の観点から強力な反発があったように、郊外の開発を進める際には、その地域の自然や農地などを犠牲にせざるをえない。「Koa Ridge」はこれまで農地であったため、地元産作物供給の減少も反対の一因となった。
都市部を高密度化することで・・・
既に都市化されている地域をより効率的に使うことで、新たな開発による環境への影響を無くすことができる。
「Second City」への期待
都市部の密度を上げるとはいえ、残すべきスペースと都市部の適正なバランスを取ることが必要だ。ホノルルへの負担を軽減するために、「Second City」への期待が高まっている。
長い事議論の的となり、待ち望まれていた「Second City」のKapoleiが近年徐々に形になってきた。ハワイ大学ウエストオアフ校のキャンパスができ、ホノルル市や州のオフィスが街の中心に位置している。また、大型ショッピングセンター「Ka Makana Ali`i」がオープンして約1年が経ち、それもエリアの大きな魅力となっている。このまま「Second City」が発展すればウエスト・オアフでの雇用が増え、住人はホノルルまで通勤する必要なく、自宅近くで働く事が出来るようになる。街の充実によって、休日も都市部へ出ることなくコミュニティ内で楽しむことができる。
(ホノルル・スター・アドバタイザーより引用)
コメント
確かにHonolulu一極集中での都市構成ですね。サテライトではない、プラネットとしてのSecond Cityを構築し、市ごとにコンパクト化していく方が、食料&エネルギー安全保障の観点からも良いように思います。そういう意味からは、しっかりとした都市計画のもと都市インフラを着々と整えているKapoleiは大本命でしょうね。ーBubble Age
開発計画が持ち上がる度に周辺のコミュニティから異議や不満が上がるのを見ると、この意見も正しいのかな。ーユーコ
ホノルル市鉄道の駅周辺は、鉄道特需の話も散見されますので、観光産業が主軸のハワイにとっては、『郊外開発』と『都市部高密度化』の議論はとても重要かもしれませんね。
どちらにせよ、朝の渋滞は緩和して欲しいです。ーKID