アラモアナにコンドミニアム型ホテルの建築計画

カリフォルニアに拠点を置く開発業者Salem Partnersが、コンドミニアム型ホテルと高齢低中所得層向けの小規模住宅ビルの建設をKapiolani Boulevard沿いに計画しており、この水曜にHonolulu City Councilより最終承認を受けた。

• Kapiolani Boulevard沿いに444室のコンドミニアム型タワーホテルを建設予定。
• 高さと建蔽率の制限を超えたタワーの建設が承認された。
• タワーの他、高齢の低中所得層向けの78ユニットも建設予定。

Kapiolani Boulevard沿いHeald College跡地に、2棟の400フィート、444室のコンドミニアム型ホテルと78室の高齢低中所得層向けの賃貸住宅ビルを建設する。プロジェクトはInterim Planned Development-­Transit（＊）が承認されたため、本来の250フィートの高さ制限と建蔽率を超えた建設が可能となった。
また、プロジェクトはアラモアナのTransient Oriented Developmentゾーン内（＊）であるため、駐車スペースの数について議論があったが、結果的に537の駐車スペースの設置が承認された。

＊Transient Oriented Development：公共交通指向型開発。TODとも略される。鉄道駅周辺などに「住む、働く、遊ぶ」に関連する施設をコンパクトに集め、自動車に依存せず、公共交通機関や徒歩での移動が可能な都市を開発する。ハワイでは鉄道計画にあわせて、各駅周辺をTODゾーンとして開発を進めている。ゾーン内の開発は、区画用途の混合、低中所得層向けの住宅の維持・加増、建物地上階のデザイン・歩道・オープンスペースに関する詳細など、TOD Special District Regulationsに定められたルールに従う必要がある。詳細はこちら。

＊Interim Planned Development-­Transit：ホノルルのTOD内の開発はTOD Special District Regulationsが基本的なルールとなるが、大規模なプロジェクトの場合、Planned Development – Transit permitまたはInterim Planned Development-­Transitを申請することができる。申請がCity Councilによって承認されれば、よりフレキシブルなルールで開発を行うことが可能となる。

これまでホテル・リゾート開発業者は他の住宅業者とは異なり、低中所得層向けの住宅を建設する義務はなかったが、Department of Planning and PermittingとCity Councilは今回ポリシーの変更を明言した。Department of Planning and Permittingは68部屋の低中所得層対象ユニットを推奨したが、Salem Partnersはそれを上回る78室に決定した。更に、低中所得層対象ユニットを提供する場合、ユニットの賃料（affordability）を30年間維持する必要があったが、本プロジェクトでは60年間維持するよう市は求めている。

過去には低中所得層向けユニットは収入中央値の120％程度の収入の層に向けたものとされていたが、本プロジェクトでは収入中央値の80％以下の層を対象としている。2017年の収入中央値ガイドラインをもとにすると、収入中央値の80％の層を対象とした場合、スタジオ（1ルーム）は$1,466、1ベッドルームなら$1,570が最大賃料と予想される。ユニットの大半を60％以下の層が借り、低い価格帯のものは30％以下の層が借りると想定すると、スタジオで$549、1ベッドルームで$1,177あたりまで下げる必要がありそうだ。

（ホノルル・スターアドバタイザーより引用）

春に訪れた際、アラモアナSC裏の広大なエリアで大規模な工事をしていたのが、とても気になっていました。この計画を見据えた取り壊し工事だったんですね。高さ制限や建蔽率緩和は建物の収支計画にモロに寄与しますので、中低所得層向けユニットを増やしたり、販売価格を下げたりと、ローカルの方々にとっても魅力的な計画ですね。住・投共存の良い箱物になること期待しています。ーBubble Age

ホノルルの地元の人々の間では、海外富裕層向けの開発・再開発に反発の声が大きいと聞きます。みんながHAPPYになれる開発を進めてほしいな。ーユーコ

Heald College跡地となると、現FedExが入っているビルですね。この場所の高さ制限が緩和されたとなると、将来的にアラモアナ周辺の景観が少し変わる可能性がありそうですね。ーKID