ハワイ州上院、下院は2週間後に特別審議を控え、鉄道建設の資金源を探して奔走している。ホテル税を増税し、資金を補うか否かが大きな争点となっている。
- ホノルル鉄道計画の資金が不足しており、資金源としてホノルル・カウンティ内の税金増税を検討中。
- 議論の対象となっている税金はGeneral Exise Tax(ハワイ州一般消費税:GET)とTransient Accommodation Tax(ハワイ州ホテル税:TAT)の2種類。
- 9月15日までに連邦公共交通局に資金の問題の解決策を提示できなかった場合、資金援助の打ち切りもあり得る。
ホノルル鉄道計画概要
ホノルルの通勤ラッシュ緩和のために始まった計画。鉄道のルートは、第1段階ではイースト・カポレイからアロハ・スタジアムまでを開設し、第2段階でそこからさらにアラモアナ・センターまで延長する予定。ダウンタウン、空港、複数のショッピングセンターなどを通る。2030年までにはこの20マイル(34キロ)のルート上に約70%のオアフ島の住民が暮らし、80%の仕事が集中すると見込まれている。
1960年代から案は出ていたが、2005年まで資金が承認されなかった。2011年の着工以来、見積もりの増額、工事受注者の契約破棄と再契約、完成予定時期の延長、資金不足など、様々な問題を抱えながら進んできた。
連邦公共交通局から$15.5億の資金援助を受けており、その他は2005年よりホノルル・カウンティ内でGETを0.5%割増し、観光客、居住者、地区内のビジネスによる支払いで補う予定であった。
TAT増税・GET割増について関係者の意見
「いますぐ入ってくる資金が必要で、財源確保に直結するTAT増税を実現すべき」:ハワイ州議員
「州が年金問題や他の大きなプロジェクトも抱えている中、1つのプロジェクトに$2ミリオンにも上る額を新たにGETから捻出するのは自己中心的」:ハワイ州議員
「旅行者は他の滞在地を選ぶこともできるし、もし増税が実現すればそうするだろう。観光業界が不平等にターゲットにされているように思う」:観光業界従事者
「増税によって他の観光地と競うことが難しくなる」:地元のホテル経営者
「TAT増税やGET割増をオアフ以外に適用しないでほしい」:マウイ・カウンティの議員
「モノレールのコストがこれ以上上がらないという保証がない」:ホノルル・カウンティの議員
「固定資産税が聖域となっているのに、GET割増によって貧しい人々に課税するのはいい、というやり方に憤慨している」:ホノルル・カウンティの議員
(ホノルル・スター・アドバタイザーより引用)
コメント
資金枯渇問題、かなり深刻なようですね。お役所事の資金難と後期遅延は古今東西変わらないということでしょうか。民間の知恵や支援取り込むPFIのようなことって検討されたんでしょうか・・・?タクシー業界の猛反対で空港ルートは外れたとの噂も聞いたことがありますし、まだまだ問題山積、目が離せませんね。ーBubble Age
TATはホテルに限らず、180日以下の宿泊が可能な施設に宿泊した際に、宿泊者が支払う税金のこと。もし増税が決定したら、旅行者には切実な問題になりそう。ーユーコ
地元紙では、このホノルル鉄道計画の記事はいつもトップに近い位置で扱われます。
生活に直結するだけでなく、観光産業にも影響がでる事案だけに、市民の注目も高いようです。ーKID