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WSJの最新世論調査によると、アメリカ人の大多数は現在、大学の学位を取得することに価値がないと答える。

コロナウィルス感染症によるパンデミックにより、多くの大学がオンラインを始め、アメリカ本土にいた学生たちも高い授業料を払ってオンラインであるなら、ハワイに戻って来たほうが生活費も浮くということで、こちらの大学に編入した学生も多い。アメリカでは日本のように新卒枠がなく、学生時代からインターンをしてなんとか職につける方法を得ている状況。とくかく学費の高さは際立っていて、居住する洲と同州の州立大学で1万5千ドル前後、他州のそれとなると3−4万ドル。それに生活費となると奨学金を得ても、卒業した後に多額の返済義務を負うことになる。最近ウォール・ストリートジャーナルが興味深い記事を発表した。以下記事の翻訳は以下の通り。
WSJとシカゴ大学の研究機関NORCによる最新世論調査によると、アメリカ人の大多数は現在、大学の学位を取得することに価値がない、又はコストに見合わないと考えているということ。アメリカ人の56%が4年間の学位を取得するのはコストに見合っていないと回答している。この世論調査は、大学とそれに関連する学生ローンの価値についての懐疑的な見方が高まっていることを浮き彫りにしており、10年にわたる大学入学者数の減少がパンデミックによってさらに悪化したことを裏付けている。
そして調査結果は学生の借金の増大に見合う具体的な仕事のスキルが、必ずしも大学在学中に習得できるわけではないとことを示している。これは、高等教育の価値に対する懐疑論の高まりを浮き彫りにし、大学入学者数が10年間にわたって減少していることに裏付けされている。米国の大学入学者数は、2010年の2,100万人から2021年には1,800万人に減少したとインサイダー誌が以前報じていた。
この入学傾向は、コロナによるパンデミックの発生により更に悪化した。大学生の年齢層に最も近い人々、つまり18歳から34歳までの人々は、特に大学の学位の背後にある価値について疑問を抱く傾向があることが調査で判明した。 WSJの調査によると、大学の学位を取得した人の42%が、最終的には価値がなかったと答えている。 この割合は、過去10年間の2つの世論調査の調査結果と比較して10ポイント以上膨れ上がったとWSJは報じている。
WSJの調査によると、大学の学位に対する自信の低下は特に女性と高齢のアメリカ人の間で顕著だった。 大学に行く価値があると考える女性の割合は、2017年の54%から44%に低下した。 同様の低下は高齢のアメリカ人にもみられ、高齢のアメリカ人のそれは、2017年の56%から44%に低下している。インサイダー誌は以前、学費の高騰、労働者需要の急増、大学キャンパスへの政治的分裂の助長などが、人々が大学への進学を見送る可能性がある理由だと報じている。 最近では共和党と民主党の知事の一部がそれに注目し、 メリーランド州、コロラド州、ユタ州、ペンシルベニア州の知事はいずれも、労働力不足、特に補充が難しいそれ以前にIBM、Google、バンク・オブ・アメリカなど、一部の企業はすでに一部のポジションについて大卒資格要件をオプトアウトしていた、とインサイダー誌は報じている。 バーニング・グラス・インスティテュートの2022年の報告書によると、2017年から2019年の間に、中スキルの仕事の46%、高スキルの仕事の31%で大卒の要件が廃止されている。州政府の欠員を支援する目的で、大卒の要件を緩和する取り組みを主導してきている。
* WSJとシカゴ大学NORCの調査は、2023年3月1日から3月13日までの期間、1,019人を対象に実施。
* 掲載画像はすべてアメリカの大学のイメージ画像。