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アジア圏からも人気!オアフのシュタイナー教育実践校「Honolulu Waldorf School」

オアフ島には多くの私立学校がある。その中の1つ、オアフ島の東部、ハワイカイの近くでシュタイナー教育を行う「Honolulu Waldorf School(ホノルル・ウォルドルフ・スクール)」のディレクター、ジョセリン・デミバグ博士に、学校の理念とハワイの教育についてお話を伺った。

ハワイでシュタイナー教育を行う学校

アメリカでは、本場ドイツに次いでシュタイナー教育を実践する学校が多いが、ハワイでは幼稚園から高校生まで(K〜12年生)一貫のシュタイナー教育実践校はあまり多くない。主な学校は、ここでご紹介するオアフの「Honolulu Waldorf School」、マウイ島に1つ、ハワイ島東部ヒロの8年生までの学校。他はチャータースクールやナーサリー、ホームスクールなど、規模が小さい。

シュタイナー教育とは

シュタイナー教育は、第一次世界大戦直後の1919年にドイツのルドルフ・シュタイナーによって提唱された教育思想。デミバグ博士によると、シュタイナー教育には大きく分けて4つの特徴がある。
また、この4つの特徴は「Honolulu Waldorf School」の特徴でもある。

まず、子供がこの世に誕生してきたことには理由がある。学校の役割は、その理由を引き出し、成長を促すこと。SATやACTといった大学進学のための点数を上げることだけではなく、そこから先、人して生きていくために必要な協調性を重んじ、人としての資質を上げていくことを重視する。

教え方は詰め込み式ではなく、身体や手先を使い、子供の感情を育てていく。

さらに、アートを通した学びを多く取り入れる。

最後に、先入観を持たせないために、7歳まではできるだけテレビやインターネットなどのメディアとの接触を避ける。そのかわり本を読むなどして、想像の力を養うことを大切にするという。この4つがシュタイナーの基本的な方針だ。

ハワイのシュタイナー教育学校のトレンド

「私立の学校の学費は大体、年に13,000ドルから19,000ドル。ハワイの家庭は共働きが多いが、それでも地元の親が私立に子共を行かせることが年々厳しくなってきている。その一方で、ハワイのシュタイナー教育実践校ではアジア圏からの生徒が増えてきている」という。アメリカ本土からくる子供もいるが、日本、韓国、中国などアジアにも広がりを見せているようだ。

アジア圏の家庭が、シュタイナーの学校への入学や年単位の留学を考える理由について、「シュタイナーの教育方針に賛同したり、一般的なアジア圏での教育方法よりもクリエイティブな教育方法に惹かれたり、アジアの教育のストレスから逃れたいというケースもある」とデミバグ博士。

また、アメリカ本土へ行くよりもハワイの方が食べ物、人種など適応しやすいと考える保護者も多い。「Honolulu Waldorf School」卒業後、自国へ帰らずハワイやアメリカ本土の大学へ進む学生もいることから、「ハワイは、アメリカ教育へのファーストステップとして最適なのでしょう」と話した。

他国からの生徒が増えたため、以前はあったESL(English as Second Language:英語を第一言語としない生徒のための英語クラス)をまた始める可能性もあるとのこと。「Honolulu Waldorf School」にはアシスタントも含めて日本語を話すスタッフも常駐しており、今後アジアからの生徒が更に増えることを期待しているようだ。

ハワイの教育の良さとは?

ハワイの教育の良さについてデミバグ博士に伺ったところ、「公立、チャーター、私立学校と色々な種類の学校があるが、学校の垣根を越えて教師同士が協調し、協力しあうところ」と答えをいただいた。この点は、アメリカで有名な教育者であるTed Dintersmith氏の著書「Most likely to succeed」でも言及されている。他の州では、公立私立問わず学校の教師が協力しあうことは珍しいという。

ハワイの教育分野は成功の可能性に満ちている、とデミバグ博士は話す。ハワイの教育の良さを存分に活用することで、ハワイの教育の未来があると博士は強調した。