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ハワイで存在感を増すチャータースクール

ここ10年間でハワイの私立学校に通う生徒は12%減少した一方で、州内では新しいチャータースクールが多く開校し、生徒数は77%上昇している。

  • ハワイ州のチャータースクールの生徒数は、2008年の6003名から2018年度は11,160名へ。
  • チャータースクールの人気が高まるも、私立へ通う生徒の割合は15%と、全米平均より高い。
  • 公立学校に通う生徒は約80%で、数字に大きな変化はない。

チャータースクールとは

1990年代にアメリカにて生まれた、新いタイプの学校。親や教員、地域の団体などが自分たちの理想とする教育計画を地方教育委員会に提出し、同計画が認可されれば、公費によって学校を運営することができる。

チャータースクールは授業料無料、独自のカリキュラムと少人数制のクラスで、教師は新い指導法を柔軟取り入れることできる。私立のような特徴を備えているため、元々私立人気が高いハワイではここ10年間で急速に広がった。

私立・公立の取り組み

現在ハワイの5歳から高校3年生は、80%が公立、15%が私立、5%がチャータースクールに通っている。10年前は私立が17%を占めていた。

私立の生徒数減少は、2008年の経済危機に端を発する。2008年以来17の私立小学校と中等学校が経済的な理由、または生徒数の不足により閉校した。80年、90年の歴史がある学校も幾つか廃校となっている。

チャータースクールの生徒増加を受け、私立学校はこの数年間宣伝に力を入れている。ラジオや新聞での広告を増やしたり、歯医者、医者、不動産会社に私立学校の紹介を送り、毎年大規模な教育フェアを開催し、私立の良さを再認識してもらう機会を増やした。また、International Baccalaureateカリキュラムを採用するなど、教育の質の向上にも努めている。

公立学校も専門分野の授業を取り入れたり、「Early College」と呼ばれる、高校で大学の単位を取得できるプログラムを導入したりするなど、意欲的に改善に取り組んでいる。その成果もあり、公立学校の学力は順調に向上している。

コメント

第3の教育選択肢としてのチャータースクール、かなり興味深いですね。地方教育委員会の許認可制ということでそれなりに制約はあるのでしょうが、個性と自由度でのダイバーシティが広がるように思います。
日本でも教育特区などで、チャータースクールを試行してもらいたいものです。ーBubble Age

生徒と保護者に取って選択肢が増えるのはいいことです。ただ、あまり評価の高くない私立学校にとって厳しい時代となりそうですね。ーユーコ

チャーター校には運営の期限があるようなので、成功実績を共有し、公立校のカリキュラムなどに積極的に反映できたら素晴らしいですね。 ーKID