ハワイの就学前事情
ハワイの義務教育は5歳から始まる。5歳から12歳までの6年間が小学校、その後3年間が中学、高校は4年間だ。5歳に義務教育としてのキンダーガーテンが始まるまでの間、共働きの家庭は子どもの預け先が問題となる。小さな島故に、祖父母が同居あるいは近くに住んでいる場合も多く、協力を得られる家庭もある。
だが、日本のように0歳から預けられる認可保育園はなく、2歳半までの幼児はプリスクールの月謝も高い。自宅で数人の幼児の世話をするナーサリーや、カピオラニ公園などで1日の大半を過ごすような場所に預けることも可能だが、それでも1月に1000ドル近くかかる場合もある。2歳半を過ぎ、オムツが取れるとプリスクールに預ける事ができるが、これも1日預けるとなるとなかなかの費用になる。
Happy Keiki Preschoolとは?
Happy Keiki Preschool(ハッピーケイキ・プリスクール)では、生後6週間から5歳のキンダーガーデン前の乳幼児を受け入れている。年齢によって3つにクラス分けされており、時間帯や週あたりの日数を選んで預ける事ができる。校長先生が日本人ということで、日本人家庭からも支持が厚い。園はハワイ大学やプナホウスクールの近く、ニジヤマーケット隣のユニバーシティ校とハワイカイ校の2つ。
生後6週間〜1歳の幼児は、夕方5時まで週5日の預かりで月に1025ドル。2〜5歳児のクラスは週5日8時から5時で775ドル、半日で625ドルだ。義務教育は公立校に通えば授業料が原則無料になるため、それまでの出費と割り切り、仕事を控えたりパートタイムにしながら家計と時間のバランスを取る家庭も多い。
Happy Keiki Preschoolでは2〜5歳児のクラスの場合、午前中は少しアルファベットを使ったレッスンをして、裏に併設されているプレイグラウンドで遊び、昼食。お昼寝を挟み、午後はクラスで本を読んだりプレイグラウンドで遊んだり、というスケジュールが組まれている。
日本人園長先生で安心!
夏になると、日本からの短期体験の子どもがやってくる。「通常時日本人は1~2割程度で、現地の子どもが多い。しかし夏は日本人が全体のが3、4割に増える」と話すのは、Happy Keiki Preschool園長のはつみ先生。園を設立して10年が経ち、前年短期入園した利用者が翌年も利用したり、「昨年はお兄ちゃんだけ、今年は下の子も」という形で繋がり、日本からのリピーターも増えてきている。
子供をハワイのプリスクールに通わせたいという日本人の保護者は多いが、保護者自身が英語に堪能だとは限らない。その点、園長先生が日本人で、困った時に日本語でコミュニケーションできるのは日本人の保護者にとって大きなプラスだ。
ハワイのプリスクールに子供を通わせる際の関門の一つに、ツベルクリン反応検査がある。現地の医療機関にてツベルクリン反応をクリアにしなくてはならないが、日本では1歳までにBCGワクチンを接種するため、陽性になるケースが多い。陽性の場合、レントゲン検査を行い診断書を用意する必要がある。1週間ほどのプリスクール体験のために、このツベルクリン関係の手続きで数日を要する事もある。そういった英語での検査等も、園長先生が日本人であれば相談できるという安心感が人気の一因でもある。
はじめは慣らし保育という形で、少しずつ環境に慣れていってもらうようにしているというはつみ先生。「数週間のプリスクールはどちらかというと異文化体験。そこで英語をブラッシュアップさせようと意気込むと、親も子も疲れてしまいます」。ハワイには様々な文化圏の人々が暮らしており、Happy Keiki Preschoolにも多様な人種の子ども達が集まる。日本とは異なる環境に最初は泣いている子も日が経つにつれ、慣れてくるという。
人気はこの先も続きそう!
日本人の保護者の、子どもに英語を学ばせたいという熱意の高まりは十分に感じているという。ハワイにコンドミニアムなどを所有し、毎年夏はハワイで過ごす家庭もあり、数週間から1ヶ月の滞在を計画するケースも多い。20年に東京オリンピックを控え、日本での英語熱の過熱とともに、ハワイのプリスクールを目指す家庭も増えそうだ。